面倒くさいクライアント(私)の話

今回はクライアント側の話です。

私はクライアントとしてのカウンセリング歴は割とある。
中2の時にスクールカウンセラーのところに行ったのが始まりで、その後大学のカウンセリングルームに世話になった。
相談内容は家庭内不和や将来への漠然とした不安についてだった。

社会人になってからはメインの悩みは仕事(仕事内容に興味が持てない、人間関係に疲れる、今の仕事を続けても将来に希望が持てない等)になり、有料のカウンセリングを受けるようになった。

そしてうつになり休職してからは、病院の臨床心理士のカウンセリングを受けたり会社の保健師や産業医の面談で自分の内面について話すことが多かった。

私は前に「私はアンダーグラウンドになんか落ちねぇ!あのクソ親と同じになっちゃうから!」みたいなことを毒電波ポエムとして書いたが、私にとってはカウンセリングそのものがアンダーグラウンドだ。
こんなに世話になりたくなかったけど、世話にならなければ生きていけなかった。

そんな面倒くさい私がカウンセリングを受けていると、「こんなカウンセラーは嫌だ」と思うことがある。

カウンセラーがクライアントを見るように、もしかしたらそれ以上に、クライアントはカウンセラーをよく見ている。

「こういうことで困ってて~」と軽いジャブを打ちながら、「さ、お前はどう出る?」なんて思っていたりする。

つまり、自分が本当に相談したいメインテーマより、先に軽いテーマを話してカウンセラーの反応を見る。その返答次第でメインテーマを話すかを決める。

頭や勘のいいカウンセラーは問題の本質はそこではないと気づくから、「メインテーマはこれじゃないですか?」とクライアントが話すより先に言ってしまうが、クライアント側からすれば「お前がまだ安全な人間かも分からないうちから、大事なメインテーマを話せるかよ」という感じなので、その時点で心のシャッターが下ろされる。

ここでいう「安全な人間」とは、私を否定しないか、話を真剣に聞いているか、理解を示そうとしているかということであり、「無害者」と言い換えてもいい。

特に今までカウンセリングを何度も受けてきた人というのは、それだけ傷ついた経験をしてきているから、不快なことや危険なことには敏感になっている。

少し言葉の選択を誤っただけで「こいつはクソ!」という判定が即なされ、カウンセリングの残り時間が虚しいものになることもある。

こちらとしても即判断はしたくないのだが、己の心の傷を悪化させないように細心の注意を払っていると、そういう行動をしてしまうこともあるのだ。


じゃあどういう人間なら安心するんだよという話だが、まず分かりやすい指標は「実績」だろう。

今まで何年、何人とカウンセリングをして、クライアントからどう評価されているかが分かりやすくブログやホームページに書かれていれば「まずは一度話してみようかな」となる。

ただ実績があるというのはそれだけ期待されるということでもあるので、裏切られたと感じた時のショックは大きい。
「なんだ、お前なんて所詮この程度か。」なんて言われた日にはカウンセラーも凹むが、言った側のクライアントも結構凹んでいたりする。

そこで大事になってくるのが「隙があること、つまりアホ」の要素だ。

カウンセリングの世界においても、モテる人(人気カウンセラー)にはギャップ萌えの要素がある。

例を挙げると、こちらの話に「へ~ほ~ふ~ん」とか適当な相づちを打って「こいつ本当に話を聞いてんのかよ」と油断させといて、「ここが原因じゃない?」とか核心を突くようなことを言って「!!(こいつ・・・できる・・・!!)」と思わせてくれるカウンセラーなんかは人気があると思う。

しかしこれは先ほど書いたように、ある程度クライアントの信用を得ているカウンセラーだからこそできる技であり、駆け出しの無名カウンセラーがやっても適当な相づちを打っている時点でシャッターを下ろされる可能性が高い。

じゃあ無名でこれから人気カウンセラーになっていきたいという人はどうすればいいのか。
答えは簡単、「ブログで自分のだっせぇ話をし、クライアントに親近感を持ってもらう」だ。

考えてみてほしい。あなたが今悩みを抱えていて、目の前に頭脳明晰、容姿端麗な王子様的存在と、三枚目でちょっとアホだが愛嬌があり親しみやすいクラスメイト的存在がいたら、どちらに相談したいだろうか。

王子様は敷居が高い。目の保養になるし素晴らしいアドバイスが頂けるかもしれないが、「あんな素晴らしい人に、私のしょーもねぇ話なんざ聞かせられねぇ」と思う。

一方、愛嬌のある三枚目君は王子様よりものを知らなくても気楽に話せるので、結果人が集まってくる。
ちなみにこの三枚目君が基本的に笑顔で話を聞きながらも、途中でマジな表情で回答をしてくれたりするととなり、私は惚れる。

・・・途中から話が脱線し、単なる私の好みについて語りだしてしまったが、カウンセラーには「アホなところを見せてクライアントに親近感を持ってもらいながらも、話は真剣に聞いて、今のクライアントの状況に合わせた提案や助言を行う」センスが必要!

という、何のひねりもないふっつうの話になってしまった。
ここまで2000字以上も読んでくれたレアな読者よ、スマンな。

ちなみにさっきの質問で「私は迷わず王子様に相談する!!」という人は自己肯定感の高い光の国のレディなので、この腐りかけの闇世界からはさっさと出ていってください。

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