父への複雑な思い

先日の首都圏で雪が降った日☃️のこと、私は両親に、旧居から新居に荷造りが終わらず運びきれなかった荷物を運んでもらった。

(お弟子最終回から2日後に引っ越しとか、段取りとかノープランで笑っちまいますわ。)

そしたらやっぱりケンカ…というか、親父殿が一方的にキレておった….。

親父殿は1年半近く前に事故って片足が義足になってしまったのだが、やはり以前のように思うように動かせない足に苛立っているようで、主に母に当たり散らしておった…。

私としては、事故ったあのとき本当は即死だったら父にとって幸せだったろうな、と思っている。

父は生きづらさを抱えた人だ。

九州の山の中で育ち、父(私にとっての祖父)にブン殴られながら育ったらしい。

母(私にとっての祖母)も火に油を注ぐような、要は人の地雷を踏むのが上手い人だったらしく、祖父に殴られては泣きながら祖父への恨みつらみを父含めた子ども達に吐き出しまくっていたそうな。

そんな状況下で育った父は、やっぱり自分のつくった家庭でも同じパターンを繰り返した。

自分の母のような人と結婚し、父のような態度を家族に取る…こうして負の連鎖は続くのだな。

しかし、父なりに自分を変えようとしたような痕跡はある。

実家には父が買った本があちこちに散らばっているが、その中には仏教関連の本やカーネギーの自己啓発本が混じっている。

これらの本は、一瞬でも父にとっての助けになったのだろうか。

※※※

我が強く、すぐキレる父に友達はいない。

昔は仕事仲間を家に呼んだ事もあったが、その人とも喧嘩別れしてしまったらしい。

近所の何とかさんの家は~とか、芸能人のスキャンダルにあーだこーだ言っている父を見て、昔はよく「人のことをとやかく言う前に、まず自分のことをしっかりやれよ」と思っていた。

他人のことばっかり好き勝手に言って、自分のことから逃避してんじゃねーよとイラつきまくっていた。

今はイラつきつつも、可哀想な人だなと思うようになった。

他人のことをとやかく言ってないと保たないのかな、自分のことに目を向けるのが嫌なのかな、とテレビを見ながら世の中の色んなままならないことに怒りをぶつける父を見て思った。

ここで冒頭の事故の話に戻るが、父がICUでの酷い姿からこうして社会生活が送れるまでに回復したのは奇跡的なことだ。

これを好意的にスピった見方をするなら、ご先祖様や守護霊が守ってくれた!と見ることもできるが、別の見方をすれば、そう簡単に楽にはなれない、もう少し生きる苦しみを味わえと天が言っているようにも思える。

母にしか当たれず、兄弟の前ではいいカッコしいで、世の中に怒りや不満をぶつけまくっている孤独な父が、もしあと何十年も生きなければならないのなら、それこそ生き地獄じゃないだろうか…。

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