世界のスピードについていけないよお!!

早い。何がって世界のスピードがですよ。高度情報化社会から落ちこぼれていく一方だぜ。…という話。

見たってどうせストレスになるんだからSNSとかテレビとかネットとかニュースの類なんて見なきゃ良いのに、見ないとこの世界で生きていけないような気がする。

インターネット様のお陰で暮らしは随分便利で楽になったのに、私の方がその変化について行けない。そんなに頻繁に情報の更新なんてしないでくれ、もっとゆっくり生きていきたい。

…と思いながらも、スマホを手離せられなくなってしまったし、付き合い方も下手だ。私の手に余る代物なんだコイツは。

というか、私の精神世界のスピードが著しく遅い…いや、それどころか止まっているような気さえする。

昔、まだ私が小学生だった頃、世界は恐怖の大王によって1999年で終わるはずだった。

夏休みによく行っていた市民プールの出口のところにお好み焼きの屋台があって、そこのおばちゃんが「ホントにノストラダムスの大予言なんて当たるのかねぇ」なんて言っていたのを覚えている。

当時の私はその大予言が怖かったが、自分の大人になった未来が想像出来ず「まあ終わるなら終わるでしょうがないか」と思っていた。

死ぬのは怖いけど、だからといって生きているのが楽しい訳でもなかったし、特に理由は無いけど、自分は18歳くらいで死ぬのだろうと漠然と思っていたからだ。

しかし世界は終わらなかった。私は大人になって、挫折と立ち直りを繰り返し、今また何度目かの挫折を味わっている。

そして根底にはずっと「ここまで生きてしまった」というどこか虚しさを抱えている。これは中二病だなんて笑い飛ばせる程可愛らしいものではない。

生まれてきたことへの後悔と、ここまで生きてしまったことへのやるせなさや苛立ちと、どうしようもない虚無感に押し潰されそうになる。

私の世界は99年に、ある意味では終わってしまった気がする。そこから先はまるでifの世界の出来事のようだ。

胡蝶の夢のように、今生きていると思っている私は、遠い昔にとっくに死んだ私が見ている夢だと思えば、まだ少しは生きて行けるのかもしれない。

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