自称未来の大作家である私が、今日も100万部売れるような本を書くにはどうしたら良いかを真剣に考えていたら、インナーチャイルドが何か言いたいことがあると言って出しゃばってきて執筆活動どころでなくなってしまったので、今日は彼女の話に耳を傾けたいと思います。
***
今までお世話になった歴代のカウンセラーさんへ
こんにちは。今まで先生方には本当にお世話になってきました。
先生方のお陰で、私は今日も社会の片隅で生きていくことができています。
しかし、私は今までいい子をし過ぎていたようで、先生方の前でいつも聞き分けの良い「いいクライアント」になっていました。
私が言葉に詰まったり、話がぐだついてくると、先生方はよく「つまり何が言いたいの?」とか、「じゃあどうしたいの?」とか若干イラついた感じで質問してきましたね。
その度に慌ててそれらしい言葉を見つけて自分の気持ちを説明しましたけど、あれ、マジで迷惑でした。
私はそんなにすぐに言葉が出てこないんですよ。じっくり考える時間を下さいよ。堪え性の無い人たちだなぁ。
あんたたちは言葉を雑に扱ってるからポンポン言いたいこと言えるんだろうけど、こっちは今の自分の気持ちに一番合う言葉を探してるんだから時間がかかるんだよ。
ただでさえ世の中の早すぎるスピードについていけずにひいひい言ってるのに、カウンセリングの場でも急かすような真似するなよ。
安全な場を作れないならお前はカウンセラー失格だよ。
***
知ってました?私が先生方に本当に求めていたものは共感でも解決策でもないんですよ。
私が本当に欲しいものは、あなたの時間と感情です。
私のために、たくさん悩んで困って苦しんで振り回されて下さい。
私がやりたくてもできなかった子ども時代をやり直すためにも、子どものわがままに手を焼くお父さんお母さんの役をやって下さい。
私のためにあなたの時間と感情を惜しみなく使って下さい。
そのために高いお金を払っているんですから。
先生方は私より長く生きているけど、私はあなたと全然違う人生を生きてきたって分かってます?
だからつまんない一般論を振りかざして、私の人生にケチ付けないでね。
あなたの人生全てをかけて、私に向き合って下さいね。
先生方の人としての器が試されているって分かってます?
私の手綱を上手に握って下さいね。上手に遊ばせて下さいね。
私は可愛くないクライアントでしょうが、結構素直ですよ。
あなたが真剣に、本気で心を開いてくれるなら、こちらもちゃんと話しますよ。
まぁ究極的には、悩みの解決なんてどうでもいいんですよ。
あなたが欝々とした私の人生のほんの一瞬の光になりさえすれば。
こんなに真剣に自分と向き合ってくれる他人がいるって分かるだけでも、少しはこの世がマシに見えるんだから。
おわり
投稿者プロフィール
-
雑多に書いてます。
詳しいプロフィールはこちら